中2になった私は、少しだけ強くなった。それは、「親友」と呼べる友達が初めて出来たのです。
親友・・・なんか照れくさくて・・・、でも、何でも話せる友達。それに、自慢の友達だった。Oちゃん。Oちゃんは、私と似ていた。でも、正反対だったんだ。
 
 恋の話もした。私とOちゃんは4組。Yくんは2組だった。Oちゃんの好きなMくんは6組。なんか不思議だった。今まで誰にも言えなかったんだ。Yくんが好きって事。だけど、最初「趣味悪い」って言われたケドね(^^;

 そんな時に一つの事件(?)が起きる。私の幼稚園からの友達、Tちゃんが、Tちゃんの親友Sちゃんと喧嘩をした。結構、4人で遊んだりもしてた仲だったから、驚いた。Oちゃんは、Sちゃんに、私は、Tちゃんに、それぞれ事情を聞いた。
 すると、2人の答えは・・・「同じ人を好きになってしまった」。 
 2人の意中の相手は2組のCくんだった。私は気付いた。そう言えば・・・Cくんって・・・Yくんと仲良く教室移動してたなって。私達が美術の授業の時、2組が音楽で隣りの教室まで移動で、よく見てた時、2人も見てたなって。
 2人は協力し合うって事で、仲直りしたけど。恋愛は難しいって痛感した。私は、まだ、初恋で、想いが募ると辛くって・・・息も出来なくなる感じだった。でも、Tちゃん、Sちゃんは同じ人を好きってだけで辛いんだろなぁって。
 そんな中で憤りもあった。またしても同じクラスになったY子が、Yくん目当てで2組に、よく行く姿を見てた。2組には、1年の時の友達も、2年になってから友達になった子もいたんだけど・・・なかなか積極的になれなくって・・・。Tちゃん、Sちゃんも朝から、朝学活前まで2組に行っていた。1回だけ、私もついて行ったけど・・・YくんとY子が喋ってるのを見て以来、ショックだった。

 そんな思春期の辛い時、私を支えてたのはラジオだった。小5の時、所属してた「科学クラブ」で自分でラジオを作った。そのラジオで、音楽を聴いていた。最新の曲とか、なんかカウントダウンとかは毎週欠かさず聴いていた。だから、知らない曲とか無かった。それが自分の中で安心感になっていた。

 そんなある日、そのラジオが壊れた。半田鏝が無いから、直せなくって・・・しかも部品も損傷してたから・・・もうダメだった。新しいラジオを誕生日前に買ってもらった。
 そのラジオはステレオタイプだった。前のラジオはヘッドフォンをしなければ聴けないタイプだったので、音が耳だけに残る感覚だった。でも今回のは体でも音楽を感じられる・・・そんな感じでした。深夜ラジオを聴くから、朝が起きれなくなっていった。毎朝遅刻ギリギリ。でも、そんな忙しい朝が私にとっては楽しかった。昨日の夜、聴いた曲みたいだなぁとか・・・そんな想いで。
 そんな時、私は、ある曲を聴く。タイトルとミュージシャンの名前を、うっかり聞き過ごしてしまった。でも、その曲のイメージが心に残った。「浮遊感があって、『佇んだ』、『満ちていく海』、『汚れた天使の羽』、『明日はなかった』そんな詩の一部、一部がコラージュのように、頭の中に刻まれた。初めて聴く声。不思議な声。そんな感じだった。まさか、この曲の出逢いが、この後の私に、とてつもない影響を与えるとは気付きもしなかった。

 それから、その曲の歌詞の鮮烈さに、自分で詩を書くようになる。それに曲をつけたい気持ちもあったけど、エレクトーンはあるけど、弾けない。親が使ってるギターも大きくてコードなんて弾けない。そんな環境で、その詩は、いつか「小説」にも変化していた。自分の周りをモチーフにして、書く。ひたすら書く。小説家の小林深雪先生に憧れた。私も、小説書きたいって思うようになってた。

 そんな時、合唱コンクールが近付いた2学期。私とOちゃんは、Y子から虐めを受け始める。私もOちゃんも小学校の時、虐めを受けてたという共通点があったのだ。2人で怯えていた。ソプラノになった私達に対して「声が小さい」と、ケチをつけるソプラノのリーダーになったY子が言う。私達は、声が小さいのではなく、声が大きく出来なかったのです。「でしゃばるな」って言われたし。
 
 セミナーハウスで練習が行われた日。Y子がピリピリしていた。担任の先生や、音楽の先生に「ソプラノが声小さい」と注意されたからだ。私は、風邪をひいていた。だから、声を大きくすれば、するほど喉に負担がかかり、咳き込む状況。Oちゃんは、大きな声を出していた。歌声がキレイだから、澄んだ声だったって覚えてる。パート練習してた時に、私は気付いた。同じソプラノのFちゃん。私達より歌声が小さいって。でも、Fちゃんは、Y子達と仲良くしてる子だった。すると・・・
Y子『ちょっと!愛ちゃんに、Oちゃん。もっと大きな声で歌ってよ。』
「歌ってるよぉ・・・ゴホッ、ゴホッ・・・。」
O『大丈夫?愛ちゃん。Y子。私達は、ちゃんと歌ってるよ。』
Y子『全然聞こえないんだけど?』
「私は・・・風邪ひいてるから・・・」
O『でも歌ってるって!』
Y子『とにかく、もっと声を出して!』
私・O「・・・・・・。」
 何も言えなかった。なんで、ここまで集中攻撃するんだろって思った。私達だけじゃない。原因は・・・。すると、その次の瞬間、私達は背筋が凍った。
Y子『わかんないヤツらには・・・』
 Y子が手を挙げたのだ。私は、すぐに悟った。「叩かれる!」って。

「コ・ワ・イ!!」

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