そうして・・・高校生活も充実してきた頃、友達のKNちゃんから中学時代の友達を紹介してもらう。その人こそが、水城朔夜さんなのだ。そこから、空ちゃんとか、るかちゃん、しおり閣下とも仲良くなる。4人はアニメーション部にいて、イラストが上手くって、衝撃を受けたね〜。なんていうか・・・自分らしさを持ってて、私は、みんなを尊敬の眼差しで見るようになる。(もちろん今でもみんなを尊敬してる。)

 ポケットベルを持っていた。よく「ベル友にならない?」とかきた・・・。出会いは、欲しくなかったわけじゃない。でも、そういう必然性がイヤだったのだ。だから、近くにいてくれる人・・・そういう人を好きになりたかった。

 そうして、1月になった頃、駅前のコンビニでバイトが決まった。中学の時の友達Sちゃんも一緒に始めた。

 Sちゃんは、高校をTちゃんと一緒にしたのだけど、何か原因で喧嘩をし、そしてTちゃんは高校を辞めたというのだ。私も高校が違うせいで、あんまOちゃんとも会えなかった。それに高校の友達も大切だし・・・ね。

 Sちゃんは、そのバイト先で、スズキさんという人を好きになった。4歳上で、20歳の人だった。私はキツネに似てるとか思ったけど・・・スズキさんには彼女がいた。ヒロミさん。スズキさんと同い年で、とても美人な人。私も、よく、してもらったから、どっちがどっちとか、出来なかったんだ。

 それに私も4歳上のイナゲさんを好きになっていった。音楽の話とか、ギターの話も、性格的に安心できる人だったけど・・・結構、女好きだったのよね・・・。まだ子供な自分に嫉妬して・・・だけど好きだった。一緒にいて欲しいってだけだった。ただ、それだけの思いだった。

 だけど、Sちゃんに
『私もイナゲさん好きかも・・・』
とか、スズキさんも好きだからとかで、振り回された。Sちゃんは、彼氏が欲しいだけだったのかもしれない。だけど、私は「彼氏」って、どういう存在の人を言うのか分からなかったんだ。

 Sちゃんの野望は凄かった。彼氏っていうのは、キスしたり、Hしたり・・・特別な関係を言うんじゃないの?ってね。私は、キス経験しちゃってたけど・・・Hなんて!!!って気持ちだった。

 そんな頃、バイト終わった時にバックヤードにイナゲさんがタバコを吸っていた。
『アイアイ(そう呼ばれてた)。お疲れさん』
「あ、お疲れ様です。」
『もう帰るの?』
「はい。」
『ちょっといい?』

『Sってさ・・・俺のこと好きなの?スズキのこと好きなの?』
え?? って、ビックリした。どうして分かるの?って気持ちで・・・
『別に誰かに言うなって言われてるだろうけど、イヤなんだよね〜俺。』
「・・・。」
『だってさ、スズキにはヒロミちゃんいるし、俺には・・・今、特にいねぇけど、なんか二股掛けられてるって最悪じゃん?』
「そうですね・・・」
『俺、S嫌いなのよ。趣味じゃないのよ。うん。だってさ〜、アイアイと喋ってる時は、うるさいくせに俺と喋ると、静かになるんだぜ?そういうのって最悪。』

 私は、何言っていいのか分からなかった。

『俺は、アイアイの方が好きなんだ。』
 夢を見てるかと思った。だけど、自分の気持ちを押さえてしまったのでした。これが後になって後悔になるのでした・・・。

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