1、クラス変え。

 今日は、始業式。少し不安があるクラス変え。
なのに私・・・
―遅刻しちゃうよぉ!!!!!

 私の名前は、椎名未来。 ドジで、おっちょこちょいで、何の取り柄もない女のコ。
 今日から中学2年生・先輩になるって言うのに、この有り様なんです。。

「未来ー!! 遅いよぉ!」

学校に着くと、すぐに声が掛かる。

「明日香ちゃん、ごめぇん!」

 橋本明日香ちゃんは私の幼稚園の時からの友達。いつも面倒を見てくれる、美人な女のコ。

「未来のことだから目覚まし時計かけ忘れたんでしょ?」
「さっちゃん、よくお分かりで・・・」

 さっちゃんこと牧村幸子ちゃんは、明日香ちゃんの親友。いつも笑顔で私を笑わせてくれる。

「ところで、クラス変え発表みた?」
「あ、あたしらも今から見に行くとこだよ。未来を待ってたんだからー。」
「ごめぇん!!ホント!」

 私のドジは、いつになったら治るんだろうな。トホホ・・・。

「あ!3人とも同じクラスだよ?」

 目の良い明日香ちゃんは、すぐクラス変え表の掲示板で私達の名前を見つける。

「わぁ良かったー!!これで3人で騒げるね!!」

と、ガッツポーズを見せるさっちゃん。

―高野くんは、何組だろう?

 高野くん・・・高野望くんは私の初恋の人。1年の時、同じクラスになって、色々としてくうちに好きになった人。代表委員をしたり、クラスでトップの成績を取ったりしてるのに、本人は無愛想で、あまり女のコを寄せ付けなかった。

 私の目の前に洋子さんが、見えた。

 洋子さん・・長谷部洋子さんも、高野くんと同じで1年の時、同じクラスだった人。高野くんと一緒に代表委員をしてて、羨ましかった。。

「望は、2組かぁ・・・」

 前から噂があった・・洋子さんは高野くんにアタックしてるって。1人だけ高野くんのことを「望」と呼んで・・しかも委員も一緒にして・・私は洋子さんより出遅れてると思ってた。

「未来? クラス行こう!」

 ボーっとしてる私を、さっちゃんが引っ張る。

「うん。」

 明日香ちゃんと、さっちゃんと3人で2年4組の教室へと向かった。

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