5、恋愛と友情。

 あれから、数日経って、明日香ちゃんと、さっちゃんは仲直りをした。どういう風に仲直りできたのかは、知らないけれど、朝、二人が仲良く登校をしてる姿を見て、私も、若葉ちゃんも胸を撫で下ろした。

 その日、私は英語の教科書を忘れちゃって、違うクラスの友達に貸してもらおうとしていた。でも、なかなか声が掛けにくい。。どうしよう。

 何故か、2組の前に来ていた。
「未来、2組に友達いる?」
「う・・うん。」

 気をつかって、ついて来てくれた若葉ちゃんが、そう聞く。

―高野くん、英語の教科書、貸して―

 なんて言えない。すると・・・明日香ちゃんも、さっちゃんも来て、

「あ、えいちゃーん。未来に英語の教科書、貸してくれない?」

 さっちゃんが大きな声で2組の友達のえいちゃんに言う。

「あ、いいよぉ。」

 えいちゃん・・・1年の時、さっちゃんと同じクラスだった子。

2組の教室の中をキョロキョロする。高野くんがいない。どうしてだろう? えいちゃんに聞くのも変だけど・・・

 すると、後ろから・・・

「椎名?」

―この声。

「あ・・高野くん。」
「どうした?」
「あ・・教科書、忘れて・・友達に借りにきたの。」
「そっか。。」
「うん・・。」

―どうしよう・・・もっと、言いたいのに、何言えばいいか分からないよ。

「未来、はい。」

えいちゃんが来た。

「ありがと・・。じゃ・・じゃ、終わったら返しに来るね。」
「うん。」

 えいちゃんと話してると、高野くんは、ゆっくりと教室に入っていった。

 英語の授業中、なかなか集中できなかった。せっかく、高野くんが話しかけてくれたのに、何も言えなかった。

 すると・・・
後ろから、
「椎名さんに廻してください」と書かれた手紙が回ってくる。

 中を開けると、明日香ちゃんからだった。

「えいちゃんに教科書、返しに行く時、一緒に行くから。そのあとで、若葉も幸子も一緒に4人で話したいことあるの。明日香」

 どきどき。

明日香ちゃん、鋭いからな・・・気付かれたのかな。。

 えいちゃんに教科書を返しに行った時、またしても高野くんは居なかった。

そして、そのアシで、私達、4人は、階段に来た。

「あのね・・・未来、若葉。二人に言いたいことがあるの。」

と、明日香ちゃんが、深呼吸をして話し始めた。

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