15、図書室での出来事。

「うぅーー、つまんないよぉ。」

 今日も放課後の図書室の当番があった。同じ当番の人は、サボってこないし・・しかも利用者も少ないし・・私は、カウンターで嘆いてた。

 明日香ちゃんも、さっちゃんも塾に通い出したらしくて、サッサと帰っちゃうし、若葉ちゃんは、部活だし・・。いちお、部活終わるのを待ってるんだけど・・・

「あの、本、借りたいんだけど。いい?」
「え? うわぁぁぁ!!!」

 ビックリした、高野くんが私に声を掛けていたんだ(汗)。 私、ビックリして椅子から落っこちた。

「椎名・・平気か?おい?」
「だって・・だって・・ビックリするよぉ!!」

 高野くんは私の腕を掴んで、起こしてくれた。素の手が優しかった。

「高野くん・・」
「何?」

 私、何を言おうとして声掛けたんだろう今。何も無いよぉ。。どうしよう。

「何? どうしたの?椎名??」

「ちょっと、そこの二人!!!」

 声のする方を見ると、洋子さんが立っていた。

「図書室で何してんのよ! 椎名さん、あんた図書委員でしょ? 何、男とイチャついてんのよ!」
「別に、そういうんじゃないよ。」
「長谷部さ、あんまし椎名に、突っかかるなよ。可哀想じゃないか。」
「何で望が庇うのよ? じゃあ何? 望は、椎名さんのコトが好きなわけ?」

どくん・・・

 高野くん・・
何て答えるのかな・・?
知りたい・・
でも、怖い・・・。

「椎名は・・・妹みたいなものだよ。だから、ほっとけないんだ。」

イモウト・・・。

「そうよねぇ、椎名さんは、まだ子供っぽいものねー。妹か、そっかー。なら良かった。」

コドモッポイ・・・。

「望、ちょっと数学で分からないとこあるの。教えてくんないかな?」
「どこ? 見せてみろ。」
「じゃ。教室来てよぉ! じゃあねー、椎名さん。」

どくんどくんどくん・・・。

 私の頭の中は、真っ白でした。

高野くんは私を妹のようにしか見てないんだ・・・。

だから、心配してくれたの?
だから、そんなやさしいの?

 何もかもが真っ白になっていった。

私の恋・・・初恋は・・・終わっちゃうの??

ねぇ。どうしたらいいの?

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