16、悲しい土曜日。

 次の日は土曜日だった。学校に行くと・・・下駄箱の中の上履きに画鋲が、たくさん入っていた。

 クラスに入ったら、ワザと洋子さんの取り巻きが私にぶつかってきた。

机の上が、チョークの粉でイッパイになってた。後ろでクスクス笑う声がした。洋子さん達の笑い声。

 私はバックを背負ったまま、教室を出たんだ。

まだ来ない、若葉ちゃん、明日香ちゃん、さっちゃん。

 涙を堪えながら、下駄箱まで降りてきてしまった。

「おはよーー! 未来? どうしたの?」

 ちょうど来たのは若葉ちゃんだった。

「わ・・わか・・若葉ちゃん!!!」

 私は、堪えてたものを全て吐き出すかのように若葉ちゃんの目の前で泣き出してしまった。

「み・・未来!?」

 どうしたらいいの?

 私、洋子さんに勝てっこないよ。
 洋子さんみたいに自信ないし。
 洋子さんみたいに強くも無い。

 どうしたらいいの?

 若葉ちゃんに支えられながら教室に戻って、とりあえず3時間の授業を受けた。

そして、若葉ちゃんに連れられて、体育館の裏に来た。

「今朝、どうしたの?」
「あのね・・あのね・・・。」

 私は、全部話した。

高野くんが私を妹みたいにしか思ってないことを知ったこと、
洋子さんの仕打ち・・

「未来、泣かないで。ね?」

 私は流れる涙が止められなかった。たとえ、小さなことでも、私の心には深く傷付いたから。

「目障りなんだよね。」

背後から声がした。洋子さんと、その取りまきだった。

「椎名さんってさー、大人しそうだけど、うちらから見たら、すんごい目障り。大して可愛くもないのに、おさげしてたりさー、ぶりっ子してたり・・・そういう女って、すんごい嫌いなんだよね私。」
「洋子! 未来のどこがぶりっ子なのよ? え?」
「若葉、あんた、またいじめられたいの? 椎名さんを庇わなきゃ、あんたを巻き沿いにしないから、どうする?」
「若葉ちゃん・・」

 なんで、この人は私を目の敵にするの? だって、高野くんは私を好きなわけじゃないのに。。

「私は、洋子と組もうなんて思わない。あんた達と、仲良しごっこするくらいなら死んだほうがマシだ!!」
「ふぅーん、そう。じゃ、いくらでも友情ごっこしてればいいよ。あとで痛い目あっても知らないからね。」

 そう言って去っていった。

「未来・・一人じゃないからね。私も一緒だからね。だから、もう泣いちゃダメだよぉ。一緒に戦おう。」

 若葉ちゃんの言葉に私は励まされた。

でも、これから、惨すぎるいじめが始まる事を予感はしていた。

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