17、大事な友達との喧嘩。

 さっきの衝撃的なことで、私と若葉ちゃんは、真っ白になってた。
 そして、帰り道。

 私は、若葉ちゃんに言った。

「やっぱり、ダメだよ。若葉ちゃんまで、またいじめられちゃうのよ?そんなのダメだよ。」
「いいの、未来が心配することじゃないよ。」
「でも、ヤダ! 私、若葉ちゃんも巻き沿いにしたくない。これは、洋子さんが勝手に私を逆恨みしてるだけのことだもん。若葉ちゃんには関係のないことだもの。」
「あっそう。」

 私は、勢い任せに言ってしまったことに、我に返ってハッとした。

「未来が、そういうならいいよ。私は、何も口出ししないよ。でもね、心配してる人間のことも少しは考えたら?未来が、そんなに分からず屋だとは思わなかった!」

 そう言って若葉ちゃんが駆け出して行ってしまった。

 ぽろぽろ流れる涙。私・・・何、言ってしまったんだろう。。

 だって・・若葉ちゃんは、洋子さんにいじめられた経験あるから、私のせいで巻き沿いになって、また傷つけたくないからじゃない。。

 どうして・・どうして・・・?

 喧嘩したかったわけじゃない。
私は、ただ若葉ちゃんを守りたかったんだもん。

 それから日曜日も、ずっとボォーッとしてた。

 月曜日、気が重かった。でも、そんなことで学校を休めないし、辛いけど、通学路を歩いてた。

「椎名、はよーっす!」

 後ろから、藤木くんの声がした。

「あ・・・、おはよ。」
「なんだよ? 元気ねぇじゃんか!そんなんじゃ長谷部達に負けるぞ?」
「ん。。。」
「ホントどうした?」
「若葉ちゃんと喧嘩しちゃったぁ・・。」
「えぇっ?」
「だから、そんな泣き腫らしたみたいな瞳してんのか?」
「・・・。」
「ほら、行くぞ!!」
「ちょっとぉ、何すんの!」

 藤木くんに私の腕を引っ張って教室に連れてった。

「角田、ちょっといいか?」

と、教室でさっちゃんと明日香ちゃんと話してた若葉ちゃんに藤木くんは声を掛けた。

「何よ?藤木。 ・・未来。」
「若葉ちゃん・・」

 どうしよう・・。何て言おう。

「あのね・・一昨日は、ごめんね。私、自分勝手だった。若葉ちゃんの気持ち、ちゃんと分かってなかった、反省してる。だから仲直りしてください。」
 
 私は、ふかぶかと頭を下げた。

「もう、やってられないよ。未来、私、未来が思ってるほど、未来のこと大切に思ってないわけじゃないからね。大事な友達じゃん!」
「若葉ちゃあん・・・。」

 私は若葉ちゃんに抱きついて、涙を流した。

私、若葉ちゃんのことも守れるくらいに強くなるね。そして、一緒にまけないようにがんばりたい。

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