じゅにあ はいすくーる めもりーず
2002年4月3日20、真実。
その週の土曜日は第2だったので、お休み。もう少ししたら、運動会もあるので、結構、毎日が大変だった。
今年は2年生の恒例イベント「大縄跳び」がある。一致団結しなければ跳べない。私達のクラスは、どうなんだろう。。
そんな土曜日、私と、若葉ちゃんと、藤木くんと、しもちゃんで遊びました。
遊んだというより、藤木くんの家にお邪魔しただけだけどね。
その帰り道。
「あら、角田さんに、下出くんじゃない。こんにちわ。」
と、1歳くらいの子供を抱えた40代後半くらいのおばさんが声を掛けた。
「あ、こんにちわ。」
「こんにちわ。」
私も、
「こんにちわ。」
と、言った。
お辞儀して通り過ぎてったおばさん。
「ねぇ、今の人、誰だっけ?」
と、しもちゃんが言った。
「洋子の母親だよ。」
「そうだ、そうだった。長谷部のお母さんだ。」
その時に私の頭に、あることが思い出された。
「しもちゃん!!」
「な・・何? 椎名?」
「ねぇ、去年の今ごろさ、洋子さん、みんなにからかわれてなかった?子供が出来たとか。」
「あ!! そうそう! 弟が生まれたから、からかわれてたね。」
「うんうん。」
「じゃ・・も、もしや?」
そうだ、思い出した。お兄ちゃん、去年の今ごろ、誰かと喧嘩して、停学になりかけた。
もしかしたら・・・と、思って、若葉ちゃんを私の家に呼んだ。
「この二人、見覚えない?」
お兄ちゃんの部屋から、お兄ちゃんの中学の時の卒業アルバムを引っ張り出して、若葉ちゃんに見せた。お兄ちゃんと、洋子さんのお兄ちゃんの写真を。
「あ!!」
そう言ってた時に、お兄ちゃんが帰って来た。
「お兄ちゃん!!!」
「おぅ、未来、ただいま。」
「ただいまじゃないよ。お兄ちゃん、長谷部って人と、なんで喧嘩してたの?なんで?」
「お前、なんで知ってるんだ?・・君は・・。」
お兄ちゃんが、若葉ちゃんを初めて見たはずなのに、知ってるかのような素振りをした。
「未来、落ち着いて聞けよ。」
私と、若葉ちゃんは、息を飲んだ。
「俺と、長谷部が喧嘩してたのは、どっちが足が速いか、よく、競ってたんだよ。ただ、長谷部は、どうやっても俺より、遅くて、なのに「もう1回!次は負けねぇ!」って、何度も挑戦するんだ。でも、俺だって、用事あるのによ。いつも、それで
突っかかってきて・・・だから、いつしか、取っ組み合いの喧嘩にもなった。」
お兄ちゃんは続けた。
「長谷部の家に弟が生まれるって日に、それでも、あいつは俺と勝負したくて来た。俺は「病院に行けよ」って、言ったのに、行かなかった。その時に、たまたま通りかかった、陸上部員にタイムを計ってくれと頼んだんだ。その中に、君がいた。」
と、若葉ちゃんを見て言った。
「でも、長谷部のヤツは、何度も挑戦してきた。その後に知ったんだ。あいつが病院に来ないから不安になったお母さんが難産だったということを。でも、俺は、それを責められたりしなかったけどね。」
ようやく糸が繋がった気がした。
洋子さんは、私のお兄ちゃんが、自分のお兄ちゃんを塞き止めてたと思ってるんだ。しかも、タイムを測らせられてただけの陸上部員の若葉ちゃんたちのことも塞き止めてたって思ってるんじゃないかな。
そんな真実。
私は、知らなかった。
でも、これから、変わるのだろうか?
分かってもらえるのだろうか?
その週の土曜日は第2だったので、お休み。もう少ししたら、運動会もあるので、結構、毎日が大変だった。
今年は2年生の恒例イベント「大縄跳び」がある。一致団結しなければ跳べない。私達のクラスは、どうなんだろう。。
そんな土曜日、私と、若葉ちゃんと、藤木くんと、しもちゃんで遊びました。
遊んだというより、藤木くんの家にお邪魔しただけだけどね。
その帰り道。
「あら、角田さんに、下出くんじゃない。こんにちわ。」
と、1歳くらいの子供を抱えた40代後半くらいのおばさんが声を掛けた。
「あ、こんにちわ。」
「こんにちわ。」
私も、
「こんにちわ。」
と、言った。
お辞儀して通り過ぎてったおばさん。
「ねぇ、今の人、誰だっけ?」
と、しもちゃんが言った。
「洋子の母親だよ。」
「そうだ、そうだった。長谷部のお母さんだ。」
その時に私の頭に、あることが思い出された。
「しもちゃん!!」
「な・・何? 椎名?」
「ねぇ、去年の今ごろさ、洋子さん、みんなにからかわれてなかった?子供が出来たとか。」
「あ!! そうそう! 弟が生まれたから、からかわれてたね。」
「うんうん。」
「じゃ・・も、もしや?」
そうだ、思い出した。お兄ちゃん、去年の今ごろ、誰かと喧嘩して、停学になりかけた。
もしかしたら・・・と、思って、若葉ちゃんを私の家に呼んだ。
「この二人、見覚えない?」
お兄ちゃんの部屋から、お兄ちゃんの中学の時の卒業アルバムを引っ張り出して、若葉ちゃんに見せた。お兄ちゃんと、洋子さんのお兄ちゃんの写真を。
「あ!!」
そう言ってた時に、お兄ちゃんが帰って来た。
「お兄ちゃん!!!」
「おぅ、未来、ただいま。」
「ただいまじゃないよ。お兄ちゃん、長谷部って人と、なんで喧嘩してたの?なんで?」
「お前、なんで知ってるんだ?・・君は・・。」
お兄ちゃんが、若葉ちゃんを初めて見たはずなのに、知ってるかのような素振りをした。
「未来、落ち着いて聞けよ。」
私と、若葉ちゃんは、息を飲んだ。
「俺と、長谷部が喧嘩してたのは、どっちが足が速いか、よく、競ってたんだよ。ただ、長谷部は、どうやっても俺より、遅くて、なのに「もう1回!次は負けねぇ!」って、何度も挑戦するんだ。でも、俺だって、用事あるのによ。いつも、それで
突っかかってきて・・・だから、いつしか、取っ組み合いの喧嘩にもなった。」
お兄ちゃんは続けた。
「長谷部の家に弟が生まれるって日に、それでも、あいつは俺と勝負したくて来た。俺は「病院に行けよ」って、言ったのに、行かなかった。その時に、たまたま通りかかった、陸上部員にタイムを計ってくれと頼んだんだ。その中に、君がいた。」
と、若葉ちゃんを見て言った。
「でも、長谷部のヤツは、何度も挑戦してきた。その後に知ったんだ。あいつが病院に来ないから不安になったお母さんが難産だったということを。でも、俺は、それを責められたりしなかったけどね。」
ようやく糸が繋がった気がした。
洋子さんは、私のお兄ちゃんが、自分のお兄ちゃんを塞き止めてたと思ってるんだ。しかも、タイムを測らせられてただけの陸上部員の若葉ちゃんたちのことも塞き止めてたって思ってるんじゃないかな。
そんな真実。
私は、知らなかった。
でも、これから、変わるのだろうか?
分かってもらえるのだろうか?
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