じゅにあ はいすくーる めもりーず
2002年5月7日27、恐怖のセミナーハウス
そして、次の日が来た。私の体調は悪化したままだった。その日の午前中、音楽の授業で先生が、
「ソプラノ、声が小さい!! アルトに負けてるよ? そんなんじゃハーモニーにならない! もっと声出して!」
そう言われても、私は風邪で、更に声が小さくなってしまってる。どうしようもない。
洋子さんの取り巻きのふぅちゃんだって、声が小さい方なのに、、、それなのに、洋子さんは私や若葉ちゃんを見てピリピリしていた。
それは、セミナーハウスでの練習でも続いた。
担任の井出先生にも、
「ソプラノ、しっかりしなさい!」
と、言われたからだ。
そうすると、ピリピリの極限を越したかのように、洋子さんが私と若葉ちゃんの目の前に現れた。
「ちょっと! 椎名さんに、角田さん! もっと大きな声で歌ってよ。」
言い掛かりだ。 どうして、そんなに私達に集中攻撃をするの? どうして?
「歌ってるよぉ・・ゴホッ ゴホッ・・」
私は、その返事でさえも咳き込む状態だった。
「大丈夫?未来。 洋子、私達ちゃんと歌ってるよ。」
「全然ッ 聞こえないんだけど?」
皮肉っぽく、洋子さんは私達を睨んでいる。
「私は・・風邪ひいているから・・」
「でも、歌ってるってば!」
私達が反発すると・・・
「とにかく、もっと声を出して!」
私と若葉ちゃんは思ったんだ。どんなに反発しても、どんなに逃げても、洋子さんは私達を集中攻撃するって。無視したわけでもない。次の言葉が出せなかっただけなのに・・・
「わかんないヤツらには・・・」
そう言って、洋子さんは手を挙げた。
瞬間的に凍りついた。
―叩かれる コ・ワ・イ!
私達は目を瞑った。
「じゃあ全体練習しましょう。」
そう先生の声がして目を開けた。
救われた・・・。でも、涙が出そうだった。
震えながら、若葉ちゃんを見ると震えていた。同じ気持ちだったんだ。 私は、若葉ちゃんの手をギュウッと握った。
苦しくって、その後の練習が、どうだったのか覚えてない。一瞬の記憶喪失のように消えてしまったかのようだった。
「じゃ、教室に戻って終学活をしてから、また練習です。」
先生の指示のあと、クラスのみんなで教室に戻っていく。私達は、一番最後だった。教室に向かおうと歩き出したら、若葉ちゃんが私の胸に飛び込んできた。
「わっ 若葉ちゃん?」
「うわぁぁぁぁん!!!」
セミナーハウスの横の階段で隠れて泣き始めた。私も堪えてた涙があふれてきた。
校庭がオレンジに染まり、私達の影を大きくしていた。影は大きいのに、心は、どこにも行けないかのように小さく蹲ってしまっている。ただ、涙が正直に流れた。
私はポケットのハンカチを取り出し、自分の涙を吹いた。
そして、ゆっくり若葉ちゃんを支えながら、校舎に向かった。
そして、次の日が来た。私の体調は悪化したままだった。その日の午前中、音楽の授業で先生が、
「ソプラノ、声が小さい!! アルトに負けてるよ? そんなんじゃハーモニーにならない! もっと声出して!」
そう言われても、私は風邪で、更に声が小さくなってしまってる。どうしようもない。
洋子さんの取り巻きのふぅちゃんだって、声が小さい方なのに、、、それなのに、洋子さんは私や若葉ちゃんを見てピリピリしていた。
それは、セミナーハウスでの練習でも続いた。
担任の井出先生にも、
「ソプラノ、しっかりしなさい!」
と、言われたからだ。
そうすると、ピリピリの極限を越したかのように、洋子さんが私と若葉ちゃんの目の前に現れた。
「ちょっと! 椎名さんに、角田さん! もっと大きな声で歌ってよ。」
言い掛かりだ。 どうして、そんなに私達に集中攻撃をするの? どうして?
「歌ってるよぉ・・ゴホッ ゴホッ・・」
私は、その返事でさえも咳き込む状態だった。
「大丈夫?未来。 洋子、私達ちゃんと歌ってるよ。」
「全然ッ 聞こえないんだけど?」
皮肉っぽく、洋子さんは私達を睨んでいる。
「私は・・風邪ひいているから・・」
「でも、歌ってるってば!」
私達が反発すると・・・
「とにかく、もっと声を出して!」
私と若葉ちゃんは思ったんだ。どんなに反発しても、どんなに逃げても、洋子さんは私達を集中攻撃するって。無視したわけでもない。次の言葉が出せなかっただけなのに・・・
「わかんないヤツらには・・・」
そう言って、洋子さんは手を挙げた。
瞬間的に凍りついた。
―叩かれる コ・ワ・イ!
私達は目を瞑った。
「じゃあ全体練習しましょう。」
そう先生の声がして目を開けた。
救われた・・・。でも、涙が出そうだった。
震えながら、若葉ちゃんを見ると震えていた。同じ気持ちだったんだ。 私は、若葉ちゃんの手をギュウッと握った。
苦しくって、その後の練習が、どうだったのか覚えてない。一瞬の記憶喪失のように消えてしまったかのようだった。
「じゃ、教室に戻って終学活をしてから、また練習です。」
先生の指示のあと、クラスのみんなで教室に戻っていく。私達は、一番最後だった。教室に向かおうと歩き出したら、若葉ちゃんが私の胸に飛び込んできた。
「わっ 若葉ちゃん?」
「うわぁぁぁぁん!!!」
セミナーハウスの横の階段で隠れて泣き始めた。私も堪えてた涙があふれてきた。
校庭がオレンジに染まり、私達の影を大きくしていた。影は大きいのに、心は、どこにも行けないかのように小さく蹲ってしまっている。ただ、涙が正直に流れた。
私はポケットのハンカチを取り出し、自分の涙を吹いた。
そして、ゆっくり若葉ちゃんを支えながら、校舎に向かった。
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