32、スキー教室・初日2

「では、皆さん、はじめまして。インストラクターの大瀬といいます。3日間で、全員滑れるようになりましょう!」

 ついに始まった。スキー教室。私と、さっちゃんは初心者のクラスで同じになった。

「じゃ、スキー板をつけてみましょう。」

 うにゃーーすべるぅ・・とか思いながら、練習が始まった。止まり方、転び方、で、スキーの基本となるボーゲンをおそるおそる始めた。

「はい、次、椎名っ。」
「は・・はいー。」
「ゆっくりでいいから、滑ってきなさい。」

 皆がやってるのを見て、こうだったけ?と首を傾げながら、下へ降りて行く。

「よし、その調子。」

と、大瀬さんが言った瞬間、加速した。

「きゃ・・きゃああ・・!!!」

 自分の意志とは、裏腹に滑っていってしまう。

「未来っ!! 危ないっ!!」

と、さっちゃんの声が聞こえた瞬間

ドッシーン!!

 何故か立て掛けてあったスキー板に衝突をした。その時に足がグキッ!と音がした気がした。

「痛い〜〜っ。」

「椎名? 平気か? 転び方全然できてなかったぞ?」

と、大瀬さんに注意されながら、支えてもらって立った時に・・

☆ズキン☆

「あ・・足痛い。」

 すごい痛かった。でも、もう少ししたら講習は終わるからと、そこから見学という形で見てた。

 でも歩くと痛くて、初日からこんなんじゃなぁっていう気持ちで宿舎に戻る。

 保健の先生に見てもらっても、

「腫れてるって程じゃないわよ?」

って、言われるし。

 そして、お風呂に入る時間になって、若葉ちゃんと明日香ちゃんは生理中だからと言って、後に入ることになった。

 直子と、さっちゃんと3人で入りに行く。

 そのすれ違い座間に藤木くんとしもちゃんと会う。

「椎名達、今から風呂なの?」

と、藤木くん。 すると、直子が・・・

「藤木くん、直子、キレイになってくるからね。湯上り美人だからさー。見てね!」

 相変わらず、ナルシストなのか? なんなのか分からないことを目を輝かせながら言ってる。

「うわぁぁぁ!! やめろぉ!!」

 二人の追いかけっこが始まった。

「未来、直子、置いて行こう。」
と、さっちゃんが言ったので、直子を置いて、後のことをしもちゃんに任せて、浴場に行く。

 体を洗ってる時に、やっぱり、さっき痛めた右足がひどく痛んだ。

 そして、夕食までの時間、みんなでおしゃべりをしてた。

「決めたわ! 私、今日、藤木くんに夜這いをかけにいくわっ!!」

 なーんて直子が言ってるとクラスの子が。

「直子さ、知らないんだ? 藤木の好きな人。」

 すると、私達は、そのコに耳を傾けた。

「若葉、知ってるでしょ? 理恵のこと。」
「あ・・うん。」

リエ?

「藤木ね、小学の時から理恵の事好きだったんだよ。でも、理恵が私立の中学に行ってから、どうなったか知らないけど。理恵も藤木の事好きだったし、直子には勝ち目ないよ?」

「私の藤木くんに女ですってー?? 私の方がいいってことを思い知らせてくれるわぁ!!」

 熱血漢あるなぁ。。直子は。

でも、びっくりだった。

そっか。。そうだよね。

藤木くんに好きな子いたんだ。。

 その日の夜、直子がフリルいーっぱいのネグリジェで、藤木くんのグループの部屋に行こうとしたところ、井出先生に見つかって、厳重に注意を受けてました。

コメント