38、私の夢は…?

「えーっ?? 明日香ちゃん、どうして?」

 始業式を休んだ、明日香ちゃんが次の日、とんでもない発言をした。

「だから、美術部は辞めるの。未来、同じ部活に入ろうよ。」
「だって、明日香ちゃん、あんなに絵上手じゃない?」
「直子がいるからよ。もう、関わりたくないんだし。それに高校で頑張ればいいしさ。」
「でも・・でも。」
「未来、何部だっけ?」
「ぱ・・パソコン部。」
「私も入部希望出しに行くからね〜♪」

 あ・・明日香ちゃん。
私、そんなに部活出てないんだよねぇ・・困ったな。

 そして、3者面談が始まる。

そのため、図書室開放は、されてなくて、部活はOKだったため。久し振りに部活に顔を出す。もちろん、明日香ちゃんも一緒だ。

 入り口で、ひょこっと顔を出すと・・顧問の白ちゃんが私を手招きする。

「白ちゃん、ごめんなさい〜。部活出てなくて。」
「椎名、椎名。椎名に頼みたいことがあるんだ。」
「へ?」
「高野と一緒に部長になってくれないか?」
「はい??」
「部長が決まらなくてな。まぁ。気にするな。ただ、名前だけ貸してくれればいい。」
「き・・気にするよぉ!!!! それに私、委員会が忙しいし・・。」
「ま、それは高野も一緒だし。引き受けてくれないか?」

 私は悩んだあげく・・・OKをしちゃった。

名前だけの部長。
しかも高野くんと。

 明日香ちゃんは、他のクラスの男子とも仲良く、お話してるし。。

 ブロックでポンで遊んでると・・・

「白井先生、遅れました。」
と、高野くんがパソコン室に入ってきた。

「おぉ、高野か。そうだ、ちょっと待ってろ。 おい、椎名! 椎名未来!」

フルネームで呼ばないでヨ、白ちゃん・・。

と、思いながら白ちゃんの所に行く。

「今日から、高野と一緒に部長として頑張ってくれる。椎名だ。高野は椎名を知ってるか?」
「あ、はい。1年の時、同じクラスだったし。」

すらりと答える高野くん。
私は俯いたまま。
目を合わす事も出来ない私。

 ただ、苦しくて。

そして・・私の3者面談の日がやってきた。
しかもトップバッターだし、しかも私の後の人が清水くんだったのだ!!

 明日香ちゃんや、さっちゃんがウキウキしながら私の事を待つという。

「こんにちわ。未来さんのお母さん。ご無沙汰してます。どうぞ、お掛けになってください。」

 井出先生とは、2年の時にも担任になったから、母とは面識がある。

「えー、未来さんは2年の時から、ホントに素直で純粋な子でして、図書委員として凄く良い評価を受けてますよ。それに文学少女なのかしら? 読書感想文とか、国語の先生がいいって言ってましたよ。ただ、漢字が苦手みたいだけどね。」
「あらら・・すいませんね。ウチの子、バカだから。」
「未来さんは、どんな高校に行きたい?」
「私は・・・」

 私、何処に行きたいんだろう?
 何になりたいんだろう?

答えが出せなかった。

 私・・・
自分が分からなかった。

 何になりたいんだっけ?

コメント